ミリキタニの猫

ミリキタニの猫というドキュメンタリー映画を観ました。
80歳のおじいさんの心の解放の物語です。


この映画は観る人に、戦争の恐ろしさ、愚かさと共に
"人はいつからでも変わることが出来る。
遅過ぎるということはない。"

ということを伝えてくれていると思います。


ニューヨークの路上画家、ジミー・ミリキタニ。
第二次大戦中、日系人ということで、
アメリカの強制収容所に送られ、
大きな心の傷を抱えたまま生きて来られました。


そんなミリキタニさんが路上で絵を描き続ける中、
監督と出逢うことで始まる物語です。


冒頭、登場するミリキタニさんの眼差しは、
他者を寄せ付けないような鋭いものでした。
それが徐々に、本当に子どものような澄んだ目になり、
嬉しそうな、柔らかな笑顔も見せるほどに変化していくのです。


私が涙したのは、DVDの特典映像です。
2006年にミリキタニさんがニューヨークで個展を開きます。
壁一面に展示された作品群に、
思わず感情がこみ上げて涙が止まらなかった。
本当に、よかったなぁと。


60年もの間、怒りと悲しみを閉じ込めて来た方の再生。


個展でハッテンドーフ監督や友人がお祝いのスピーチをする中、
ミリキタニさんは、その会場でもう次の個展のための絵を描いてるんです。
スゴい、と思いました。生きている限り、描き続けるそうです。


ミリキタニさんが何よりスゴいのは、絵を描き続けることで
怒りや悲しみを他者にぶつけなかったことではないかと思います。
満たされないものを満たそうとして、他者を道具にしなかったことだと思います。


だからこそ、全てを変えるきっかけになった
ハッテンドーフ監督との素晴らしい出逢いも、
起こったのではないでしょうか。


そんなハッテンドーフ監督が、特典映像のインタビューで、
広島の平和式典に訪れた時のことを尋ねられ、
最も感動したのは、子どもたちの平和への誓いで、
ぜひこの場で紹介したい、と読み上げておられました。
素晴らしいのでここでもご紹介します。


2007年 広島平和記念式典 
子ども代表による平和への誓いより抜粋

『嫌なことをされたら相手に仕返しをしたい、そんな気持ちは誰にでもあります。
でも、自分の受けた苦しみや悲しみを他人にまたぶつけても、何も生まれません。
同じことがいつまでも続くだけです。

平和な世界をつくるためには、「憎しみ」や「悲しみ」の連鎖を、
自分のところで断ち切る強さと優しさが必要です。

そして、文化や歴史の違いを超えて、お互いを認め合い、
相手の気持ちや考えを「知ること」が大切です。』



レンタルDVDで鑑賞できるようです。↓予告編


Cats of Mirikitani [DVD] [Import]

Arts Alliance Amer

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2001年9月11日、世界貿易センターが瓦解する緊張状態のニューヨーク路上。
騒然とした周囲をよそに、いつもと同じように平然と絵筆を動かしている男がいた。
彼の名はジミー・ミリキタニ、80歳。カリフォルニアで生まれたが、第二次世界大戦中、
日系人強制収容所に送られ、アメリカに抵抗して自ら市民権を捨てた。
その時から彼の反骨の人生が始まった。
彼の80年間には何があったのか・・・、
そして彼の描く猫の絵に込められているものとは・・・
公式サイト 解説より



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by cherish-chu | 2009-09-23 15:51 | スゴい人