子どもの可能性を奪う、親の”過干渉”

不適切な親子関係として、親の”過干渉”があります。

過干渉はこのように行われているようです。

■体罰と同じく、”しつけ”や”子どものため”としてやってしまう。
■適切な子どもとの関わりや、子どもの発達課題を知らず、
 子どもの頃に自分の親がしていたことをそのまま繰り返してしまう。

では過干渉とはどのようなものか、具体的に挙げて行きたいと思います。

■過干渉とは■

■子どもを親の思うとおりにコントロールしようとすること。

■子どもの望むことではなく、親の望むこと、
子どものやりたいことではなく、”親がして欲しいこと”をさせること。

■親の中の”理想の子ども像”や”子どもはこうあるべき”
のような考えに子どもを当てはめようとすること。

■子どもの思いよりも親の感情や考えを優先させる、など。


このような親子関係は、対等でなく、支配・被支配という
主従関係ですので、人間関係としても不適切ですよね。
このような家庭で育つと、”人間関係とはこういうものである”
と学習してしまい、学校や社会に出てからも、互いを尊重する
対等な人間関係を築くことが難しくなってしまいます。

■過干渉の例■

■言葉がけの例(指示・命令・禁止令が多い)

・早くしなさい
・勉強しなさい
・片付けなさい 

・ダメ
・やめなさい
・静かにしなさい

・もっと大きな声で話しなさい
・しゃんとしなさい
・ダラダラしない
・ハキハキしなさい

・あんな子と付き合っちゃいけません
・あの子とはもう遊ばないのよ

■親の考え方の例

・時間に厳しく、寝る時間、食べる時間などきっちり
 決めて子どもをそのとおりに動かそうとする。

・苦手なことは克服しなければならないと思い、そうさせる。

・食べ物の好き嫌いは直すもの、と思い、そうさせる。

・箸の持ち方・食べ方などに厳しく、こぼさないように
 しなさい、とお行儀よくたべさせようとする。
 
・我慢させることで精神的に強くなる、と思っている。
 
・自分で選べるようになっても、服装から遊びまで、
 親が決めたものを与える。

・挨拶はしなければダメと思っていて、必ず挨拶をさせる
 「”ありがとう”は?」「”ごあいさつ”は?」など。

・活発で明るい子が良いと思っていて、人前でもじもじしたり
 人見知りする子は直そうとする。

・親が習い事を決め、行かせる、など。



このような考え方の傾向には親自身も気づいていないことが多いですが、
「子どもはこういうもの」というような親にとっての
”理想の子ども像”があり、”そのとおりでなければ・そうあるべき”
という思い込みが強く、子どもの個性や気持ちに関係なく、
その理想どおりにさせようとしてしまうようです。

子どもの自主性や主体性(やる気)は、
”やりたいこと”の中で育まれます。

自分がやりたいことは、やる気も起きるし、達成感があります。
”快”の感情です。

しかし、親の過干渉でやりたくないことばかり
やらされると、疲労感、”不快”の感情が残り、
”やる気”はどんどん奪われていってしまいます。

これが心に作用して、前者は不満や怒りが溜まっていき、
後者は自信へと繋がります。
(「子どものやる気がない・主体性がない・覇気がない」
のは、”(親)自身が関わりの中で奪っているのでは?”
という視点を持ちたいものですね)


やりたくないことでも、やらないと困るようなことは、
言い方、伝え方、なぜ困るのかの理由を話すなど、
押し付けられるのでなく子どもが納得してすることが大切です。
(適切な伝え方は子どもへの適切な言葉がけ〜アイメッセージ〜

■過干渉を受け続けると

ああしなさい、こうしなさい、これはダメ,など親の指示や命令で
    ↓
やりたくないが親が喜ぶのでする。
    ↓     
親の機嫌がよくなるので、親の顔色をみて・親が喜ぶことをする
    ↓     
評価に過敏になる、他者の評価を気にするようになる
    ↓     
主体性がなくなる・自分で感じて、考えて、行動できない
自分を見失う・自己不全感を持つ・自分の存在に自信が持てなくなる


”子どものため”と思っていることが、本当にそうなのか、
自分のふるまいを振り返ってみることはとても大切です。

過干渉は、親自身の生育環境にも関わってきます。
前述したようにこのような支配・被支配の環境で育った人は、
人間関係自体がそうであると学習してしまいます。
そして、”互いに尊重し合う”という人間関係の基礎となる感覚は、
”それがどういうことなのかわからなく”なってしまうのです。

このように、親の望みを、子どもで満たそうとしては
いけないのですが、”これがしつけ”で、”そういうものだ”
と思っていると、なかなか気づけません。

それまでうまくいっているように思っていたのに、思春期頃から
"何を考えているのかわからない””やる気がない”と感じたり、
不登校や引きこもり、家庭内暴力などの問題行動や、
親に隠れていじめや非行を始めるなどというケースも少なくないようです。

子どものために良かれと思ってしていたことが、
”子どもの心を壊してしまっていた”というようなことにならないように、
適切な関わりを知り、自らを見直し、必要であれば変えていくという、
子どもを変えようとするのでなく、親が自ら変わろうとすることが、
求められていると思います。今はもう、
”自分もそうやって育ったから”では対応しきれないようです。
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by cherish-chu | 2010-07-12 15:41 | こころについて