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ただ生きるために

北極のナヌーという映画を観ました。

子どもに、と思って録画していたものを、

内容の確認のために最初は流しながら

観ていたら、どんどん引き込まれて

最後のエンドロールでは涙が止まらなくなってました。


シロクマのナヌーと、セイウチのシーラをメインに、

北極で10年の歳月をかけて撮ったものだそうです。


まず、映像が素晴らしかった。

海の青、氷や雪の白など美しい自然の色や、

奥行きのある広い広い空間や、悠然と海を泳ぐ姿は、

観ているだけで、セラピー効果があるなぁと思いました。


人間も見習いたいと思った事があります。

セイウチは、子どもを1頭育てるのに、母親ともう1頭、

雌のセイウチが子守り役としてつくそうです。

1頭の子セイウチに、2頭の雌が面倒を見る。

人間も、今はそれくらいでちょうどよいのかもしれない、と思います。



動物も植物もみんなそうだと思うのですけど、

厳しい自然の中、ただ、自分が生き残るため、

そう、”ただ生きるために生きて"いるんですよね。

その一瞬一瞬を、”今を”生きる、という姿は、

いつも、自分の中にもある、おおもとの部分を

思い出させてくれるように感じます。

そう、そうだよね。そうなんだよね。と。



私が涙したのは、エンドロールに入ってからで、

そこで、初めてスタッフがどのように撮影したか垣間見えるように、

動物たちのすぐ近くに、カメラを構えたスタッフがいたり、

あるいは決定的瞬間を捉えようと、全速力で氷の上を走っていたりして、

人間(スタッフ)が、動物たちのすぐ隣にいるのだけれど、それでも動物たちは、

警戒するでもなく、威嚇するでもなく、「何だ?」とは思いながらも、

特に気にする訳でもなく、いつもどおりに過ごすところを見た時、

"そのまま、ありのまま"で生きている動物に、

人間が受け止めてもらっているように感じたからかもしれません。

"そのまま"で生きている彼らの、大きな優しさを感じたのかもしれません。



なんだか、動物を含めた、大自然というような、

何かこう、大きなものに受容されたような感覚に揺さぶられたように思います。



むき出しの、そのままの自然には、

人間の無意識下にある、そこに繋がるものを刺激して、

観ている人の何かを揺さぶる、そんな力があるんでしょうね。

映像でさえ、それだけの力があるのですから、スゴいなぁと思います。

そしてまた、閉じて固まらず、揺さぶられる自分でありたい、と思いますね。

北極のナヌー プレミアム・エディション

ジェネオン エンタテインメント


by cherish-chu | 2009-04-05 07:01 | 気持ち